・二重・三重の減点ルール
<ディダクション>
技術審判らによって判断される規定による減点。
転倒: 1回につき -1.0点
時間超過または不足: 5秒につき -1.0点
ボーカル入り音楽の使用または音楽の不使用: -1.0点
バックフリップなどの禁止されている要素: 1つにつき -2.0点
小道具使用などの衣装の違反: -1.0点
ペア要素での落下: 1回につき -1.0点
10秒以上の中断: 10秒につき -1.0点(やむをえない場合は除く)
転倒
要素の実施時、平常滑走時(要素と要素の間)に関わらず、転倒した場合は減点を受ける。転倒とは「スケーターがスケートのコントロールを失い、エッジ以外の部分で体重の大部分を支えるもの」を指す。振り付けの一部として意図的にエッジ以外の部分で氷に触れるものは転倒の扱いにはならない。なお、要素の実施時における転倒の場合は、ディダクションとは別に、技術点のGOEにおいても減点されることになっている。
<ジャンプの回転不足判定>
回転不足の判定は技術審判ではなくテクニカルスペシャリストが行う。
・回転不足(アンダーローテーション)
ジャンプの回転が1/4〜1/2(90度〜180度)足りないものについて
基礎点の70%が与えられる。
・回転不足(ダウングレード)
ジャンプの回転が1/2(180度)以上足りないものについては
回転数がひとつ下のジャンプとみなされ、その基礎点が与えら
れる。(小数点第1位未満四捨五入)
例:トリプルフリップ(基礎点5.3点)
アンダーローテーションの場合 --> x0.7 3.7点
ダウングレードの場合 --> 2回転フリップとみなされ1.8点
トリプルアクセル(基礎点8.5点)
アンダーローテーションの場合 --> x0.7 6.0点
ダウングレードの場合 -->2回転アクセルとみなされ4.0点
注:ただし、これは回転数の判断のみでの点数で、最終的には
ここにさらにGOEが反映される。
回転不足となったジャンプにはGoEでマイナス点がつくことが殆ど
のため、その場合点数は更に低くなる。
<GOE>Grade of Execution
・各要素の「技術点」に、0を基準とし-3点から3点までの7段階で
評価し付加する「できばえ点」。
・ジャンプ、スピン、スパイラルなどのそれぞれの要素ごとにこの
GOEが付加される。
・審査をする最大9人のジャッジのうち、各要素ごとに、最低点と
最高点を除いた残りの点数の平均が最終的なGOEとなる。
つまり、ジャンプで転倒した場合まず-1点、それが「回転不足」と認定されると技術点がx70%または一回転下のジャンプの基礎点にダウン、さらにGOEでマイナス点がつくという、「三重減点方式」となる。
また、転倒するという大きなミスをしても、「回転が足りている」と判定された場合、ジャンプの基礎点は変わらないため転倒による-1点とGOEのマイナスのみとなるのに対し、きれいに着氷しても「回転が足りていない」と判定されると基礎点が数点下がり、GOEでのマイナス点も付くため、同じジャンプでも「回りきって転倒した方が得点が高い」という奇妙な逆転現象が起きている。
- 最終更新:2011-05-30 08:43:11